神奈川の古い地図などを入手して楽しんでいる「地図旅」。
前回は nyapon が神奈川に来た頃のものだったけど、
もっと古い、昭和23年と昭和41年のものを入手してみた。

発行は、今はゼンリンに吸収された日本地図(日地出版)で、
1/180,000 の「新日本分縣(県)地図」シリーズ。

山地/市街地の色使いが変わって若干比較しづらいけど、
海岸線を見ると横浜周辺の埋め立て地が大きく広がったり、
地名では、町や村だった自治体が合併して市になったり。
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 日本地図 1/180,000 新日本分縣地図「神奈川縣」

戦後すぐの昭和23年版。

相模川には、戦前からのダム建設で既に相模湖があるけど、
そのすぐ下流の津久井湖と城山湖はまだ無い。

県内の国道といえば、R1 東海道と、R20 甲州街道くらい。
番号の記載は無いけど、まだ現在の道路法施行前なので、
甲州街道は20号でなく、いわゆる「大正國道 8号」だな。
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 昭和23(1948)年版

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 厚木は、まだ「町」と5つの「村」 (1948)

高度経済成長期の昭和41年版。

東海道新幹線が開通、東名高速も中央道も点線の計画道路。
まだ、県央の宮ヶ瀬湖はもちろん、県西の丹沢湖も無い。

国道は、どのバイパスも未整備ながら現在に近い路線網に。
我が家に近い400番台の指定は、これからだけど。(苦笑)
海沿いのR134は、まだ一部が有料の「湘南道路」の時代。
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 昭和41(1966)年版

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 厚木は市制施行、海老名・座間は「町」 (1966)

昭和41年版の付録、「鉄道・連絡バス案内図」も興味深く。
範囲は、南関東から甲信越、中京圏あたりまでのもの。

我が家の近くでは、国鉄からの連絡運輸のバス路線が。
東海道線の平塚から、伊勢原・大山、厚木・津久井町方面。
鉄道路線でも、廃止された路線や変更された駅名が。
愛知には、3年前に廃線跡を探訪した、豊橋鉄道 田口線も。
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 「鉄道・連絡バス案内図」 (1966)

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 青梅線の終点は「氷川」、五日市線 岩井支線が現役

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 静岡鉄道 駿遠線(新三股-堀野新田間を除く)が現役

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 豊橋鉄道 田口線が現役(清崎-三河田口間は休止中)



定価は、昭和23年版が金参拾円で、昭和41年版が70円。
一瞬、「当時としては結構お高くないか?」と思ったけど、
消費者物価指数から計算すると、どちらも今の300円ほど。
現在は1,000円(税別)なので、逆に安かったくらいなのか。

裏面には、県の地勢や市町村の人口データ、観光案内など。
単に昔の道路や地名だけじゃなく、色々と面白かった♪

こういう1枚モノの分県地図って、今も需要があるのかな?
登山地図などは1枚で全体を俯瞰してみたいだろうし、
市街地図なら営業用途なんかも想像できるのだけど・・・。