今月末限りで、また、2つの趣のあるローカル私鉄が、その歴史を閉じてしまう。
宮城県のくりはら田園鉄道と、茨城県の鹿島鉄道。
両鉄道とも、収入の大部分を担っていた貨物営業の廃止により存続が危ぶまれていた
という事情も似通っている。

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くりはら田園鉄道は、細倉鉱山から産出する亜鉛の輸送が主目的の鉄道で、以前は
電化されており栗原電鉄という社名だったが、閉山により当然のごとく業績が悪化。
その後、第三セクター化と同時に内燃動力化するなど、経営努力を続けるも収支は
好転せず、県からの補助打ち切りで存続を断念。

沿線は社名どおりの田園風景を走った後、急勾配を登りきり山間の終点にたどり着くという、
典型的な鉱山鉄道の雰囲気で、貨物営業のあった頃に訪れてみたかった。


栗駒山をバックに田園風景を行く。


急勾配を上りきり、かつての終点細倉駅跡を通過。
現在の終点は、200m先の細倉マインパーク前。

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鹿島鉄道も以前は自衛隊百里基地への燃料輸送が収入の大部分を占めており、
燃料のトラック輸送化と同時に経営危機に。
地元の高校生が存続運動をがんばっていたが、2005年のつくばエクスプレス開業→
親会社の関東鉄道の減収→鹿島鉄道への支援打ち切り、という連鎖も重なり、
やはり路線存続を断念。

現役最古のディーゼルカーが霞ヶ浦に沿って走る沿線はのんびりした風情で、
もう一度ゆっくりと見物に訪れてみたいと思っていたが叶わず。
前回一緒に訪れた日立電鉄も既になく、ローカル私鉄天国だった茨城県も、
ずいぶん寂しくなってしまった。


訪問時には、イマイチ写欲の湧かなかったKR-500形レールバス。
今では、そういう写真の撮り方を反省・・・。


現役最古、唯一の戦前製ディーゼルカーの生き残り、キハ601。
霞ヶ浦と筑波山をバックに。


常陸小川駅の人気者だった、「鹿島のカバさん」ことDD901。
史料的価値のある機関車で、必ずどこかで保存されると信じていたが、
廃線に先立ち、先月解体・・・。

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昨年の北海道ちほく高原鉄道、神岡鉄道に続き、見物に出掛けた事のある鉄道の
廃止が続いていて寂しいかぎり・・・。
他にも嫌な噂は多く
心配になってしまうが、神岡鉄道や信越本線碓氷峠区間などで
観光鉄道として復活させる計画なども動き出しており、少しだけ期待も。

nyapon